いちりん挿し【花展のよろこび】

この週末は、東京は日暮里でのいけばな展でした。
今日はこの花展のエピソードをお届けします!

私の所属している「いけばな龍生派」の理念は、
植物の持ついろいろな貌(かお)を自分の目で見て発見し、
それを自分なりに表現していくことです。

私は大人の男性の身長ほどの大きなベニヤ板を二枚使って作品を制作しました。
制作はすべて会場でします。
ベニヤ板に色を塗る作業から始め、植物を板に打ち付けての制作は、
もはや華道家というより大道具さんのよう(笑)。

今回の作品は、制作の過程でいろいろなハプニングもあり(笑)、
最初にデザインしていたイメージからだいぶ変化して行ったのですが、
最終的に自分が予期せぬ
「見せたい貌」
が展開できて、それはそれで一つの表現にたどり着けたのかな、と感じました。

2メートル×1メートルほどのこの大きな作品から、
枯れた蔓、今まさに枯れゆく草、そしていきいきと咲き誇る花、を合わせた
生と死のエネルギーを感じていただけたら嬉しいな、と思って展示したのです。

生と死のエネルギーというよりも、
「生のエネルギー」「命のエネルギー」
と言った方が私の表したかったことに近いかもしれません。
綺麗な花が咲くのも、その花とともに在る、枯れたもの達があってこそ。

混沌としたカオスに見えるかもしれないこの作品から
そんなメッセージを感じ取ってくださったのか、
作品を見て涙してくれた方がいました。
私はその方々の涙を見てびっくりしてもらい泣きしてしまいました。

今ここにあるその瞬間の作品を生で見てもらえる喜びは、
音楽で言えばライブのよう。
花展も、植物と作家とそれを見る人とのエネルギーの
交換のしあいっこなんですね。

作品はどんなときも、その時の自分そのもの。
植物は己の姿を通して自分自身を鏡のように見せてくれます。

【編集後記】
アドレナリンが出すぎて眠れない一週間でした(花展後でもなおそのモードが続いています汗)。オンオフのスイッチがうまくいかないときって、皆さんはどんな工夫をしているのでしょうか?よかったら教えてください!

 

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