いちりん挿し【トサカ？脳みそ？ケイトウの不思議】

虫の声がそこここで聞こえる秋ら
しい季節になってきましたが、
皆さんは秋というと何を思い
浮かべますか？

紅葉の山々や色づいた木の実で
しょうか？それとも、栗やキノコ
などの山の幸でしょうか？

秋の花にもいろいろありますが、
豊かな秋の色を象徴するかのよう
な鮮やかな「鶏頭（ケイトウ）」
というお花があります。

その名の通り、花の見た目がニワト
リのトサカに似ているところから
名づけられました。

学名は「燃焼」という意味のギリシ
ャ語に由来するそうで、ケイトウの
花を燃える炎のように捉えたので
しょう。

ケイトウはニワトリのトサカのよう
なものばかりではなく、下の写真の
久留米ケイトウのように、ひだが集
まって丸い形になる種類もあります。
このタイプのケイトウを見るとつい、
脳みそを連想してしまうものです、、
、、笑。

ケイトウは見た目もさまざまですが、
触り心地もさまざま。
ふわふわのケイトウもあれば、硬めの
ビロードのような質感のものもあり、
触り心地も楽しめる魅力的な植物です。

ちなみに脳みそ風な久留米ケイトウは、
花の部分が帯状に奇形し遺伝的に定着
したもので、石化（帯化）と呼ばれる
状態になっています。
石化と言っても石のように硬くなるの
ではなく、植物の独立した器官が複数
癒着して平たい帯状になることを示し
ます。

ケイトウの他にも、石化エニシダや
石化柳などは、いけばなの世界でも
よく好んで使われています。

さて、そんなユニークなケイトウの
花言葉は、「風変り」。
おしゃれ、個性、などの花言葉もあり、
ケイトウの主張的な存在感が生んだ
花言葉なのでしょう。

ケイトウのような質感のドレープの
ひだひだが豊かな秋のドレスなんて、
とっても個性的でおしゃれだと思い
ませんか？

【編集後記】
先日、遠縁の親戚が代々神主を務める神社に、父親と一緒に参拝に行ってきました。お店が並ぶ参道を通り抜け、入り口の大鳥居をくぐった瞬間、明らかに空気が変わるのを体感しました。目には見えないけれど身体が感じることってありますよね。人は普段から視覚に頼りすぎている、自分の持つ他の感覚ももっと大切にしたい、と感じた瞬間でした。

 

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